早く目的地に着くだけが旅行ではありません。

旅の醍醐味は見知らぬ人との交流、そして未知の文化との遭遇であるとソムリエである関井圭一氏は言います。

ゆったりとお茶を飲みながら、メリーゴーランドのように動く列車の車窓から、異国の土地を眺めるのも列車の旅の魅力なのです。

ここでは、日本では中高年層の人達の懐かしい思い出話でしかない夜行列車の旅も、メニューの豊富な食堂車を利用して列車で移動したりする事が、現在でも乗車可能なヨーロッパの国際列車での旅の醍醐味について、お話しいたします。

関井圭一氏が語る旅の醍醐味とは?

幼馴染がこのヨーロッパ列車旅行が大好きで、よく食事を一緒にしながら語り合ったものです。

まず列車の旅というと、どんなイメージがあるでしょうか。

遅い、つまらない、そんな風に思いませんか?

単調でつまらない=飛行機よりは乗車時間が長いです。

関井圭一さんも言っているように、ゆったりと足を伸ばして座りながら、読書をする、車窓を眺める、コーヒーやお茶を飲むのもよし、飛行機よりもゆったり快適に過ごせるのが列車の旅の良さなのです。

広い大陸を走りぬけ、国と国をまたぐ”国際列車”島国に生まれ育った日本人にとっては、旅情をかき立てられる、憧れの乗り物ではないでしょうか。

ヨーロッパでは、ユーロナイトと言われる国際夜行列車や、昼間のECと呼ばれる国際特急列車も健在です。

暖かい料理とフルコースが食べられる食堂車も営業中、オンライン化で日本でチケットの予約も可能、旅情がない日本の鉄道の旅を覆すゴージャスな鉄道の旅が、リーズナブルな予算で可能なのです。

ヨーロッパゴールデンラインをご紹介

谷尾和昭もおすすめ、ヨーロッパゴールデンライン=景色が素晴らしい初心者向きのコースをご案内します。

ヨーロッパの線路は軌道が広く、日本の新幹線と同じ横幅です。

近年の高速列車は、日本と同じくオープンの座席ですが、一部の国際列車は古きよき蒸気機関車で旅行をした時代の名残でしょうか、コンパートメントという部屋で仕切る8人掛けの座席も健在です。

コンパートメントは1等車は座席も広くゆったり、2等車はやや手狭な感じです。

長距離列車には毛布と枕が置いてありますから、座席をのばすと一つの部屋になってしまい、カーテンを閉めると、横になって寝る事もできます。

夜行列車ユーロナイトも同様の作りで、昼間は座席になります。

ゴールデンラインコースは、パリースイスーイタリアへ抜ける国際列車の旅です。

まずは、パリ市内にあるリヨン駅からフランスご自慢の新幹線TGVで一路スイスのジュネーブへ、フランスの田園地帯をぬけてスイスに近づくと、雪をかぶったアルプスの山々が見えてきます。

国境を越えるとガラリと車窓が変わります。

そう、山小屋スタイルのスイスの家並みが続くのです。

ジュネーブの目の前には、広大なフレンチアルプスとレマン湖が見えます。

新幹線からスイスのローカル列車に乗換えて、湖畔沿いに車窓から観光します。

よく晴れた日には、車窓から目の前にマッターホルン・モンブランが連なるフレンチアルプスが見えます。

湖畔の町からは小さなローカル登山鉄道がたくさんあり、宿泊してこれらの列車を利用してハイキングを楽しむのもオツなものです。

モントルーシオン城を通りすぎると、険しいアルプスの谷間に入ります。

長いシンプロントンネルをぬけると、そこはイタリア国境の町ブリークです。

ここからは有名な山岳観光地ツエルマットに行く、有名な登山鉄道も発着しております。

ツエルマットに滞在するのなら、ここで名物登山鉄道「氷河急行」に乗車が可能おすすめです。

イタリア方面に行くのなら、ここで列車を乗換えて

イタリア方面に行くのなら、ここでイタリアの列車に乗換えです。

ミラノまでノンストップの新幹線チザルピーノでも良いし、時間が多少かかっても良いのなら従来のローカル列車に乗るのも良し、さらに終点がベネチア行きの長距離列車もあります。

国境を越えてイタリアに入ると、また家並みが変わります。

スイスの山小屋風の家から、瓦屋根の南欧風の建物になるのです。

庭にシュロやソテツを植えている家も多く、気候の温暖な南へ来たという事がわかります。

荘厳な古代エジプト風のミラノ中央駅に入ると、そこはもうイタリアの大都市ミラノなのです。

物売りの声や雑踏が、スイスとは全然ちがいます。

さて、国際夜行列車も同じルートを走っています。

こちらは夜間に国をまたぐので、車窓から景色を楽しむ事はできません。

しかし懐かしい食堂車を完備してますので、ワインを傾けながらゆったり夕食をとって、一眠りしたら翌朝はイタリアを走っています。

私もよく知り合いとこのイタリアの列車でワインを飲みながらパスタを食べたものです。

早朝、食堂車で朝食を取るのなら車窓から景色を楽しめます。

国際夜行列車の終点はベネチアなので、さらにグレードアップした列車の旅行になります。

まとめ

日本人がヨーロッパを鉄道利用で旅行するならば、外国人向けのユーレイルパスという、乗り降り自由のパスがあります。

新幹線や寝台車は追加料金を取られますが、これを利用すれば見せるだけなので、言葉がわからなくても大丈夫、ヨーロッパ国内を自由に移動できます。

また、1ヵ国だけ、2ヵ国だけ周遊するためのパスもありますし、地域別、北欧・東欧だけといったパスもあります。

ぜひとも旅の醍醐味、ヨーロッパ鉄道旅行をお楽しみください。

Last Updated on 2025年7月7日 by hotelv